第128章 花粉症⦅1年生's⦆
春の便りが届く頃、花粉症にとって厳しい季節がやって来た。
昼休み、トイレから戻ってきた虎杖は ぎょっ とした。
なな がティッシュで涙を拭いている。
その隣には伏黒と釘崎。
「なな、どぅした?」
なな のそばに寄って そう聞けば、なな の目は赤くなっていた。
「おい伏黒、なな に何したんだよ」
「何もしてない」
おろおろしている虎杖に、伏黒はいつも通り冷静に答えた。
『伏黒は何もしてないよ ; 』
なな がそう言うと、虎杖は近くの椅子に座った。
「で?
何で なな 泣いてんの?」
『泣いてない。花粉症だよ』
目から溢れた分の花粉症用目薬を拭いていため、虎杖は誤解したようだ。
「目だって真っ赤だったじゃん」
「あんたの近くに花粉症の人は居なかったの?」
釘崎は呆れながらそう言った。
伏黒も呆れながら「今年の花粉は多いらしいぞ」と なな に言った。
『えー…、眼球丸洗いしたい……』
ため息をつく なな 。
「目が痒かったり、鼻が詰まったり、鼻水だらだらだったり大変なのよ。
中には花粉が飛ぶ時期だけゴーグルかけたりする人も居るし。マスクは必須ね」
虎杖に説明する釘崎。
「へぇ…。じゃあ五条先生は花粉症にはならないな」
虎杖はニコニコして言った。
「? 何でよ」
首を傾げる釘崎に、虎杖は答えた。
「だって五条先生、ずっと目隠ししてるし、今コロナだから ずっとマスクしてるじゃん?
ほぼ顔出てないし花粉症にならないよな♪」