第114章 節分⦅1年生's⦆
『宿儺、今日は節分だよ♪』
なな は虎杖の左頬に話しかけた。
ぐぱっと目と口を表した宿儺は「ほぅ」と言った。
虎「宿儺も恵方巻食べる?」
虎杖は宿儺に聞くと、宿儺は「えほーまき?」と繰り返した。
『宿儺が生きていた頃は恵方巻無かったの?』
宿「無かったな。子どもは豆を投げて遊んでいたが…。
そもそも節分は4回もあるのに、今の食事は良くなったもんだ」
虎「節分が4回?!」
宿儺の話に驚いている虎杖に、伏黒が口を開いた。
伏「昔は季節の変わり目を節分と呼んでいたそうだ。
人間の陰気が溢れるから、季節の変わり目ごとに邪を祓うことを目的としていたそうだ」
虎「へぇ~」
宿「さすが伏黒恵。よく知っているな」
伏黒に感心する宿儺に、なな は恵方巻の説明をした。
『今の食事は確かに裕福になったけど、さすがに4回も恵方巻は食べないよ』
伏「ちなみに恵方巻を食べ始めたのは江戸時代や明治時代だと言われている」
宿「なんだ、最近ではないか」
釘⦅ 江戸時代を最近って…。
やっぱコイツ 化け物ね…………。時間の感覚めっちゃズレてる ⦆
伏「ちなみに江戸時代では "恵方巻" とは、呼ばずに "丸かぶり寿司" とか、"太巻き寿司" と呼ばれていたそうだ」
『へぇ~』
虎「さすがに恵方巻を全部食べさせるのは太過ぎるから。
宿儺が食べるなら細巻きか切ってある恵方巻な」
虎杖がそう言うと、「構わん。寄越せ」と宿儺は言った。
虎「なんで偉そうなの?」