第99章 おみくじ⦅虎杖悠仁⦆
カチ、カチ、カチ…
ガヤガヤ…
迫る新年。
お祭り大好きな虎杖と釘崎を中心に、高専1年生'sによる年越しが行われていた。
伏「やっぱ人多いな…」
人混みが苦手な伏黒は眉間に皺を寄せた。
『二年詣りなんて初めて♪』
なな はニコニコしながら そう言った。
虎「そぅなん?」
『うち、親厳しかったから
夜出歩くなんて危ない!、って ず~っと言われ続けてた』
苦笑しながら そう言うと、虎杖は「まぁ確かに危ないよな」と納得。
釘「今年は大丈夫よ。
何せ野郎が2人も付いてるし、私もいる♪」
男前な釘崎の発言に なな は『そぅだね、ありがと』と笑った。
境内に近づくにつれ、少しずつしか前に進めなくなり、ぎゅうぎゅう押された なな は虎杖達と離れそうになった。
その時。
虎杖が なな の手をしっかり握り、自分の隣まで引っ張ってくれた。
虎「大丈夫か?」
『うん…、ありがと』
人混みのせいで虎杖との距離がいつもより近く、なな は顔を赤くした。
少し前の方から釘崎が「なな ~、大丈夫~?」と声をかけてくれ、なな の代わりに虎杖が片手を挙げた。
『満員電車みたいだね』
横や後ろから押される状況を なな はそう言って笑う。
やっと見えてきた お賽銭箱。
お賽銭を投げ、やっと人混みから解放された2人は、釘崎と伏黒と合流すると伏黒が口を開いた。
伏「もうすぐだぞ」
皆で伏黒の腕時計を見ながら、日付が変わるのを待った。
カチッ、カチ、カチ、カチ…