第95章 暖⦅宿儺⦆
静かに雪が降る。
はぁ…、手に息を吹き掛ける なな 。
宿「冷えてきたな」
茶羽織を羽織り、囲炉裏の火を強くする宿儺。
宿「風邪をひくぞ。もっと こっちへ来い」
自分の隣をトントン、と促し なな は宿儺の隣へ移動した。
少し甘えるように宿儺の肩に頭を預ける なな に、宿儺はケヒ、と笑った。
宿「どうした?」
『宿儺さまに触れていたいのです』
重たいですか?と遠慮がちに聞き、離れようとする なな の肩を抱き寄せ、宿儺は機嫌良さそうに答えた。
宿「良い良い。隣でなく、ココに来い」
ひょい と なな を 自分の胡座の中に座らせた。
宿「どうだ? 暖かいか?」
なな を後ろから抱き締めながら宿儺は聞いた。
『暖かいですが…恥ずかしいです//』
耳まで真っ赤にして答える なな を見ながら、宿儺は笑った。
宿「後ろから抱き締められるくらい、いい加減馴れたらどうだ」
もっと恥ずかしい事もしているだろう…、と妖艶に なな に囁いた。
『~~~ッ///』
恥ずかしそうな困ったような表情で宿儺を見上げる なな に、宿儺は また笑った。
宿「何を誘っているのだ。良い良い。
冬の夜は長いからな、気の済むまで愛してやろう」
なな の腰を撫でながら、宿儺は言った。
『誘って無いです!//』
否定する なな に、宿儺は意地悪い表情で聞いた。
宿「なな は俺と愛し合いたくないのか?
俺は こんなに お前を愛しているのになぁ」
優しく なな の頭を撫でる宿儺。