第76章 壁ドン⦅宿儺 現パロver⦆
『え~っと……、宿儺サン、退いてくれると嬉しいな』
えへ、と苦笑いしながら なな は目の前の宿儺に伝えるが、宿儺は「何故だ」と怒りを含んだ声色で答えた。
なぜ宿儺が怒っているのか、そして、なぜ自分が宿儺に壁ドンされているのか状況が飲み込めない なな は宿儺を見上げた。
『何で宿儺が怒ってるのか分かんない』
宿「ぁ"ぁ?」
⦅ キレてる! 怖い怖い怖い!! ⦆
米噛みに青筋を立て、なな を見下ろす宿儺に、身の危険を感じ、空いている反対側から逃げようと横を向くと。
ドン!
反対側も封鎖された。
そして左前腕全体を壁に押し付けるような格好になった宿儺は、なな のとの距離が先程より縮んだ。
『近い近い近い!』
宿「お前、俺が怒っている理由がホントに分からぬのか」
じっと見つめられ、そう問われるが なな は宿儺の怒りを買った覚えなど無かった。
返答に困っている なな に、宿儺が口を開いた。
宿「俺の知らない所で男と話すな」
『…え?』
宿「…お前の周りは いつも誰かいる。
本当は悠仁や伏黒と話をしているのも気に食わんが、アイツらは俺と なな の関係を知ってるから我慢しよう。
だが、俺が知らない男と話をするのは許さん」
真っ直ぐ自分を見つめる宿儺の眼に、なな は頬を染め、視線を外しテレくさそうにアハハと空笑いしながら言った。
『もしかしてヤキモチ??』
宿「・・・何か問題でもあるか?」