第39章 別腹⦅宿儺 現パロ⦆
『ん~、美味しい♪』
イチゴやマスカット、ブルーベリーにラズベリーなど、たくさんの果物がのったタルトを美味しそうに頬張る なな。
宿「良くそんな甘いものばかり食べられるな」
『だってデザートは別腹って言うでしょ?
それに、せっかくバイキングに来てるんだから、色んなもの食べたいし♪』
目の前に並ぶ 様々な料理やデザートを少量ずつ食べる なな。
宿「そう慌てるな、ほら、ちょっと こっちに近づけ」
そう言われ、宿儺の方へ近寄ると口の端に付いていたと思われる生クリームを、宿儺は親指ですくい取り、ペロリと舐めた。
宿「…甘いな……」
宿儺には甘すぎたのか、少しだけ眉間に皺を寄せた。
『言ってくれれば自分で取ったのに』
恥ずかしそうにする なな だが、宿儺は周りの目など気にしないようだ。
宿「人の目など気にしていたら、あっという間に年老いていくからな」
『…おじぃちゃんみたい』
ボソっと呟く なな の頬をつねりながら、宿儺は意地悪く笑っていた。
バイキングが終わり、部屋に戻った なな と宿儺。
『どれも美味しかったねぇ』
宿「そぅだな。気になったものを今度作ってみよう」
宿儺はバイキングの中にお気に入りができたようで、スマホで料理名を検索し食材や調味料を調べている。
『作ったら私にも食べさせてね♪
宿儺の料理美味しいから大好き♪』
そう言って笑う なな に、宿儺は少しだけ意地悪を思い付いた。