第3章 ユーリ=ノルベルト
ユーリ「お風呂、入ろっか。」
起き上がると身体にかかったものがこぼれ落ちてしまいそうで動けずにいると、ユーリが横抱きにして浴室へ連れて行ってくれる。
お風呂から出てベッドに入ると深い眠りについた。
翌朝
シャツに腕を通し服を着替え終えたところにドアがノックされた。
ブラット「おはようございます。キャリー様。…あっ!ユーリ様!失礼致しました。」
扉を開けたのがユーリだった為下がろうとするブラットにユーリが話しかける。
ユーリ「おはよう。」
ユーリ「今朝は俺の分もコーヒーをいれてくれる?」
ユーリにコーヒーのカップを出すブラットの手が僅かに震えていた。
ユーリ「大丈夫?まだ肩痛いんじゃ…」
カップを受け取るとユーリが心配そうにブラットを見る。
ブラット「ご心配ありがとうございます。…自分は…ユーリ様を尊敬しています。」
ユーリ「ええっ!」
思いもよらない言葉にユーリも顔を赤くする。
ブラット「私、もともと城の下働きでしたので、プリンセスの事も、執事だったユーリ様の事も存じております。プリンセスに尽くすユーリ様を見ていて自分もユーリ様のようになりたいと執事に志願したんです。」
ユーリ「そ…そうなんだ。」
ブラット「そんな憧れのユーリ様に飲み物をお出しするのに、緊張してしまいました。」
ドレスに着替え、部屋に入った私はユーリとブラットが2人で顔を赤らめている、不思議な光景を目にする。
キャリー「どうしたの?」
ユーリ「何でもない。男同士の話。」
ユーリがニヤッと笑いブラットを見やるとブラットも苦笑する。
キャリー「えーっ!気になる!だってユーリ、昨日はあんなにブラットにヤキモチ焼いて…」
ブラット「えっ⁉︎」
咄嗟にユーリは私の口を抑えるがブラットには伝わってしまったようだ。
驚きに目を丸くしている。
ユーリ「もぅ。言わないでよ。」
ユーリは顔を赤くして私を睨む。
ユーリ「でも心配ないみたい。ブラットは男好きみたいだから」
キャリー、ブラット「えええっ‼︎」
ユーリ「俺のこと好きなんだって」
ブラット「ユーリ様っ!違います!」
心の中のわだかまりが取れ、朝の部屋に笑い声が響いていた。