第33章 蜜月の始まり(R18)
(うそ…。経験豊富だから…城持ちの、偉い武将様だから……)
てっきりその経験はとうにしているのだろうと思っていた。
むしろ跡継ぎとかそういう理由で、積極的になされていたと思っていた。
「あ……うそ…嬉しい、です」
信じられない思いで、美しい人を見返す。
この人に選ばれたのだと思うととてつもない幸せが満ち溢れる。
「嬉しい……謙信様」
私がもらった謙信様の『初めて』が凄く、凄く嬉しかった。
謙信「口づけがしたいと思ったのも、子種を胎内に残したいと思ったのは舞だけだ。
後にも先にもお前しか居ない。今宵も……この先も、俺を受け止めてくれ」
律動しながら、謙信様の大きな手が私の下腹を撫でた。
しっとりと汗を滲ませながら愛してくれる謙信様が愛おしい。
「嬉しい、です。あなたに選んでもらって……嬉しいです」
涙ながらに訴えると、謙信様は首を振った。
謙信「何を言う。お前が俺を選んでくれたのだろう?」
身をかがめた謙信様に短い口づけをされた。
「んん、んっ」
お腹にたまる熱が沸騰したかのように熱い。
ぐっと熱がせりあがった。
感激した心に比例するように、急激に、時間にしてみれば数秒のうちに一気に快感が頂きまで押し上げられた。
突然弾けそうになった熱に驚き、慣れない感覚に戸惑い、叫んだ。
抱えられた片足が宙を蹴る。
「ああっ、謙信様っ、謙、し、んさまぁ………っ」
か細く、不安を訴えかける声で愛しい人の名を呼ぶ。
謙信「っ!?舞」
謙信様が抱えていた片方の足を下ろし、真正面から抱きしめてくれた。
初めて達する時にそうしてくれたように、私が怖がらないようにぎゅっと抱きしめてくれた。
(あ…もう……)
絶頂がそこまで来ていた。
まだ二度目…気持ちいいことだってわかっているけど、まだ不安だ。
縋(すが)るように逞しい身体に抱きついた。
「はっ、謙信様っ、イキそう、あ、イク、やぁぁ」
一緒にイキたい。
1人でイキたくない。
抗おうとしてもお腹の熱は器からトロトロとこぼれ始め、滴る度に身体がピクンピクンと跳ねる。