第2章 前世と今世
私の前世の記憶が蘇ったのは、“個性”というものが発現した4歳の頃だった。
キラキラと加工された表紙の絵本の中で、可愛い魔女が魔法を使って人助けをするお話。
私も魔法が使いたいな、そうしたらお空だって飛べるしキラキラのスティック持ってキラキラ出したりできるのに。
本を読んでくれていたやたらと背のデカくてやたらと顔のいい身内の膝の上ではしゃいだ。
「魔女なんてなれないだろ」
「なれるもん!」
空色の綺麗な瞳を細めて、その綺麗な顔を歪ませて意地の悪い顔で私に意地悪を言う。
幼かった私はムキになってなれる!と返して、なれる、なれない、の言い合いを続ける。膝の上でジタバタと暴れてもふんぞり返って意地悪を言う。
「さとるくんなんて、ひでもやすんだから!あやまってもゆるしてあげない!」
「ふーん、やってみろよ」
売り言葉に買い言葉。悔しくて悔しくてしょうがなかった私は、心の中で“さとるくん”が業火に焼かれるのを想像した。
それがいけなかった
パチッ
「ユウカ!離れろ!!」
ドン、と体を急に前に押され受け身もとれずに床に転がる。
泣いてさとるくんが意地悪したこと叫んでやろうかと思って振り返る。
「え?さとるくん、」