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僕と彼女の共同戦線

第7章 差し伸べる手


「…あ〜。確かに、その手の馬鹿がいんなあ」
納得したように千空がハハ、と笑った。

ーーそういや身近に居たな。
千空は遥か空を見上げた。その先にある宇宙ーー石神、百夜。

葵は千空の名字をこの時点では知らない。石神村が唯一の友達、リリアン・ワインバーグと共に宇宙を過ごした仲間の子孫であり、石神千空が創始者の息子だとも。
だから、分からなかったのだ。

『その手の馬鹿』が、二人の人間を指していた事を。


「それで?羽京の方は?」
「彼はね……こないだ皆が居るのと、
歌姫作戦がまだ始まってないからああ言ったけど、大丈夫だよ。普通に味方になると見込んでる。

程よく緊張感あった方が皆の気は緩まないから、作戦完遂の為に一応締めただけ。
現に私がガンガン石化した人の破片くっつけたりしてるの、見逃してるしね」

まあお察しあれ、と言えば、そりゃそうだな、にしても軍師様のお気遣い痛みいるわ、と千空が高笑いした。

「ま、今日はそんなとこか」「そうだね、じゃ」
簡潔に連絡事項を伝える。

ふーっ…と息を吐く。……大分喋った。
少し声枯れ……はしてなかった。歌う為にトレーニングは欠かしてなかったのがここで活きた様だ。

「……さて、どう出るやら」
葵は今晩の作戦ーー電池差し入れ計画に思いを馳せつつ、ぐーっと伸びをした。
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