第18章 Sketch6 --茶話会
「風の。 その位は私だって加減するよ……」
「当然だ。 私たちの大事な花嫁が死んでしまうからな」
続けて「うーん……でも」ふとなにかを思いついたように口にした水龍に、「どうした?」と風龍は問いました。
「いや、火龍たちは大丈夫なのかなと。 彼は一旦ああなったら、情が激しすぎるからね。 なにせほら、あの二人が並んだら大人と子どもだろう?」
彼が言うと卑猥さは薄れるものの、また生々しい情景を想像してしまいました。
……なんにしろ、平穏で幸せな二人の初夜であって欲しいものです。
そう思っていると先ほどの事情を知らない風龍が興味深げにわたしと水龍に聞いてきました。
「なんだ。 あの二人の不和は結局上手くいったのか? 道すがら話を聞かせてくれ」
「不和というか、あれはただの夫婦喧嘩だね。 あの娘は水の加護を持っているから、火龍は尻に敷かれるだろうな」
「あら、そうなのですか?」
今日出会った二人の花嫁。
それからもう二人の龍。
わたしはどうやら彼らのことも好きになれそうだわ、とそう思ったのでした。