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SketchBook【R18】

第3章 Sketch1 --安息



住処に戻った私は衣服を脱ぎ捨て、体を清めました。


人間の魂は生まれ変わります。

それと同じく、私たちも永い年月を生きるのに休息を必要とするのです。


再び正装に身を包んだ私は、そのためにある、黒い箱の中に横たわる時、次の目覚めを決めました。


これから100年の間、私は夢うつつの中に莉奈に想いを馳せるのでしょう。

現実の彼女はいつしか私を忘れ、愛し合い、その腕の中に新たな生命を抱くのでしょう。


けれども私には、私と過ごした彼女だけが永遠なのです。

プツリ、と周りの雑音が消え去り、慣れた静寂が訪れました。


私が生まれ落ちて初めて、頬に流れるこの水が何なのか、こんな化け物には形容し得る言葉など見つかるはずもありません。





[完]
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