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【Bプロ】Wrapped in love【金城剛士】

第2章 2


「珍しいですねぇ。」

わたしのエンジニアー釈村帝人ーが口角を上げた。

「貴方が家に誰かを上げた痕跡がある。もしや恋ですか?キュンですか??」

イラつくのは決して図星だからでは無い。だいたい、どうして恋愛限定なのか。友達ができたかもしれないではないか。
いつものおちゃらけた態度にため息をついたのは、今日が土曜日の午前中だからだ。つまり、朝から煩いってこと。

「どうでもいい。それよりこのソフトなんだけど。」

彼は機械関係がめっぽう苦手なわたしのために、月1くらいの頻度でうちに上がって色々メンテナンスしてくれる大切な存在だ。お礼は手作りの夕飯と晩酌。

「事前に情報を貰っていましたから、もちろんリサーチ済みですとも。」
「事前にって。昨日の深夜でしょ。」

そういうとこがキモくて、頼もしい。
これ、褒め言葉ね。
帝人がわたしのPCを弄っているうちに、わたしはコーヒーを淹れるために立ち上がった。仕方ないから、2杯分。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ヤツとの晩酌は意外と楽しい時間だ。
帝人は頭がいいから私に合わせた話を振ってくれるし、相槌もうまい。さながらワイドショーに映る見目のいいアナウンサーのように。

「ほんと、趣味悪いよね。」

わたしなんかにずっと構って、変なやつ。

「貴女に比べればそれ程でも。お褒めに預かり光栄です。」

嬉しそうでキモい。
思わず顔をしかめるのだった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

そんなこんなで気分よく晩酌したわたしは、帝人を見送りすぐお風呂に浸かった。今日はモコモコの泡風呂。オフの日のご褒美タイムだ。
そして酔いも覚めた頭で、仕方なく業務用のアカウントに溜まったメールを返してから眠ったのだった。
明日からまた仕事だ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

今日も朝からうるさい。
誰かからの着信で目が覚めた。

「はい。です…」
「ちゃん!やっと引受けてくれるつもりになったのね!嬉しいわ〜〜!!」
「うっさ……」

耳がキーンとけたたましい音を奏でた。

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