第49章 手放せない愛を抱えて
「カノにだったら手出されてもいいよ♪」
「馬鹿なこと言わないでください」
「まぁ既にもう出しちゃったんだけどな。むしろオレが出させた。」
「だって万次郎くん、中々食い下がらないんですもん。どうしようかと思いましたよ」
「カノが好きだから体も繋ぎ止めておきたかったんだよ」
「私も好きですよ…」
「それはオレの身体が?」
「身体も心も全部です」
「嬉しいこと言ってくれんね」
マイキーはチュッと唇を重ねる。
「なぁデートどこ行きたい?」
「そうですねぇ…」
「カノの行きたいところでいいよ」
「万次郎くんは行きたいところないんですか?」
「オレはカノといられれば何処だって楽しいから特に希望はない」
「そ、うですか…」
「あー照れてる〜❤︎」
「照れてない!」
そう否定するもマイキーはニマニマと笑っていた。
「動物園なんてどうです?」
「いいじゃん。ライオン見たい。」
「じゃあ動物園にしましょう。私、お弁当作りますね」
「マジで!?作ってくれんの!?」
「簡単なものしか作れないですけど」
「すげー嬉しい!」
マイキーは目をキラキラと輝かせて、嬉しそうな顔を浮かべる。
「今度の土曜日に行きませんか?」
「いいよ。でも動物園なんて何時ぶりだろうな。ガキの頃にじぃちゃんとエマと行った記憶がある」
「そうなんですか」
「ふれあい広場で動物と戯れてたらさ、うさぎのボスみたいなのがいて、そいつに触ろうとしても逃げられちまってさ、エマと協力して捕まえたんだよなー」
当時の記憶を振り返っているのか、マイキーは懐かしむように語った。
「楽しかったですか?」
「うん…すげぇ楽しかった」
「ふれあい広場にも行きましょうね」
「カノとうさぎのツーショット撮りたい。めちゃくちゃ可愛いの撮れる気がする」
「じゃあ私も万次郎くんを撮ってあげます」
「カノとのツーショットがいい」
「はい。ふたりでも撮りましょう」
口許に笑みを浮かべて二人は笑い合い、土曜日のお泊まりデートを楽しみにするのだった。
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