第60章 愛から生まれた呪い
「なんで戻ってきた?」
「未来の貴方に『助けてくれ』と頼まれた。だから僕は彼との約束を守る為に貴方を救うと決めた」
マイキーに戻ってきた理由を尋ねられ、あの時交わした約束を果たす為に過去にタイムリープした事を告げると、マイキーは表情を変えずにピクッと反応を示す。
「"現代(みらい)"の貴方は僕を殺し、自殺する事で全部終わらせようとしてた」
「『現代(みらい)』…?何を話してる?」
「でも最後の最後で貴方は僕に助けを求めてくれた。初めて貴方の本心を聞いた気がします」
「カノト!」
対峙している二人の様子を見ながら大寿が疑問を抱く中、タケミチが遅れて駆け付けた。
「悪ぃ!遅くなった!」
「ヒーローは遅れて登場するものだよ」
そんな台詞を口にしながら、無表情でこちらを見るマイキーにハッキリとした口調で告げる。
「僕は貴方との握手をトリガーとしてやってきた。最後の決着を付けに!そしてもう一度、貴方と本音でぶつかるために!」
するとバイクに轢かれた三途が立ち上がり、日本刀を手にしてダッと大寿に駆け寄る。
「!!」
「させるかぁあ!!!」
大寿は三途の存在に気付いたが、その前に背中を斬り付けられ、膝をついて地面に倒れてしまった。
「大寿君!!」
「三途…!!」
「花垣武道!宮村心叶都!テメェらもタイムリーパーなんだろ!?」
「!?」
「なのに何もわかってねぇ!マイキーの背負った業のデカさを!!マイキーはガキの頃から定められてた修羅の道を進むしかねぇんだよ!!!」
「(どうして三途がタイムリーパーの存在を…?まさか三途も誰かをトリガーにして過去を遡ってるってこと?)」
カノトは内心驚いたが、タケミチにその事について聞いている暇は無いことを知り、とりあえず今は目の前の状況に集中することにした。
「よォ勇者チャン❤︎」
「!」
「さっきぶりだな♪」
三途が声を荒らげる中、顔や体にかすり傷を負った半間が現れた。
「半間!?どうしてここに!?」
海凪ちゃんと戦ってたはずじゃ…
その瞬間、ハッとして周囲を見回す。必死に彼女を探せば、その姿を視界の端で捕らえる。
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