第11章 一緒に
「ん……っ…‥んん…」
暗い部屋で少し荒い息遣いが響く。
秀一くんの生温い舌を今の私は簡単に受け入れてしまう。
お互いの舌が絡み合う。
深く。
深く。
私の身体と共に心まで溶けていくようだ。
『愛おしい』
という気持ちが、秀一くんに芽生えた気がした。
「しゅう…いちっ……くん…」
唇が離れるその一瞬一瞬、途切れ途切れに彼の名前を呼んだ。
そのとき、キスがピタリと止んだ。
不思議に思って、閉じていた目をうっすらと開く。
目の前、わずかな距離。
近すぎてぼんやりと見える秀一くんの顔。
目を細め、笑っていた。
「…?」
「やっと認めてくれたんだね、お姉ちゃん…」
嬉しいなぁ。と呟く秀一くん。
認める?
何を?
「うん、僕も好きだよ…お姉ちゃん……」
言いながら、顔が近づき、再び唇が重ねられた。
僕『も』?
私が認めたのは、『秀一くんが好き』ってこと?
今までの私なら、絶対違うと否定するだろう。
でも何故か、納得してしまう自分がいた。
あぁ、そうか…私は秀一くんが好きなんだ。
と、純粋に思った自分がいた。
「お姉ちゃんは僕のだよ…?」
「うん…」
なんの疑問も持たず答える。
「お姉ちゃん…ずっと一緒にいよう…?」
「うん…」
「好きだよ…」
「うん…私もだよ…」