第7章 たっくんと武くん
山本くんがあたしを好き?
山本くんがたっくんなの?
たっくんはあたしが好き?
なに、もーわかんない
何が起きてるの?
山本くんがたっくん?
たっくんが山本くん?
「わかんない……わかんないよ………頭が、ぐちゃぐちゃで」
山本「桜、オレは山本武。桜がたっくんって呼んでくれたんじゃねーか」
「え、だってたっくんが、あたしをっ………そんなのありえない!」
山本「なんでだよ……?」
「だって、あたし…たっくんとの約束やぶった……」
山本「仕方ないのな、急な引っ越しだったし」
そう、引っ越しが決まったのは引っ越しする前日。
「あの時あたし、たっくんと会えなくなるのが怖くてっ、嫌われるんじゃないかと思ってっ、言えなくて…っ…」
山本「泣くなって。な?」
「だって……っく、たっ…くんが何か言いかけてたのに、あたしがっさえぎって…''明日ね''って言わなかったら……ふぇっ…」
山本「そうだな、オレはずっと待ってた。桜が来るのを。」
「ごめ…なさっ……」