第36章 Stay Beautiful ☆

体重計のスイッチをオンにして、巻き付けていた寝具を脱ぎ、ゆっくりと体重計に乗ると


「い、いゃあぁああ！！！」


ふ、増えてる！3キロも！増えてる！！？
嘘でしょ！？

…でも確かに、このところめちゃめちゃ食べてたし…
更に運動なんてもう長いことしてない。

ふと鏡を見ると、たしかに以前よりもお肉が着いたような気もする。

ダメだこのままじゃ…豚になる。

ずーんと落ち込みながら赤井さんのいるベッドに戻ると、布団を剥ぎ取られた赤井さんはすっかり服を着直して少し不機嫌そうにしている。


「お前は、突然突き飛ばして布団剥ぎ取ってどこかに行く癖やめろ」

「赤井さん！」


赤井さんの言葉なんて完全無視のわたしは、ずいっと赤井さんのいるベッドに乗って赤井さんの顔を見た。


「…どうした」

「今日から1週間、わたしの身体触るの禁止！」

「………どうして？」


赤井さんが明らかに不満げに言う。


「3キロも太ったの！赤井さんのせいで！」

「俺のせい？」

「そう！赤井さんの作るご飯は美味しいし、赤井さんと一緒にいたら幸せすぎてつい食べ過ぎちゃうし。
完全に幸せ太りだよこれは！」

「だからって、どうして触れるの禁止なんだよ」

「こんなだらしない身体、赤井さんに触ってほしくないもん」


わたしがあまりにも真剣な顔をして言うから、赤井さんはハァーっと長い溜息をついて頷いた。


「わかったよ。なるべく、我慢する」

「うん！よろしく！」


よし…絶対1週間でもとの体重に戻してやる…
固く心に誓って、わたしはすやすやと眠りについた。