第35章 ハルウタ　☆

…しまった。
仕事の資料に目を通していたら、サラに構うのをすっかり忘れていた。


サラをちらっと見ると、ベッドの布団に潜りながら、顔だけひょこっと出し、俺の方をじーっと見つめている。


俺はサラが待つベッドに向かった。


「悪かったな。放ったらかしにして」

「ううん。仕事だもん」


俺がベッドに入ると、サラはすぐに俺の身体に抱きついた。
ぎゅ…としがみつくみたいに抱きつかれると、喉の奥がキュッと締まった感覚がする。


「先に眠っていて良かったのに」

「…だって。…っ」


サラは何か言おうとしたが、上手く言葉が出てこなかった様子で、その代わりに俺の唇に自分の唇を重ねた。


「ん…」


俺から、ほんの少し吐息が漏れると、その隙をついてサラの舌が俺の口内にねじ込まれた。


必死で俺を誘惑しようとしているのがバレバレだ。
けれどサラからこんなキスをしてくれるのはレア中のレアだ。
小さな舌を、懸命に俺の舌に絡ませてくる。
愛しすぎて、思わずお仕置きのことなんて忘れそうになった。