第32章 Soon You'll Get Better ☆

帰ってきた…

と、期待を込めた目で部屋のドアの方を見ると、部屋のドアがゆっくり開いた。


「あ！仕事してる！ダメじゃない」

「おじゃましまーす」


サラが俺を見るなり、もー！と口を尖らせてこちらに近づいてきたがそれどころじゃない。


俺はサラの後ろにいた人間を見て、思わず持っていたスマホを落とし、自分の顔にぶつけた。

顔面にスマホが落ちてきても、そちらを見たままピシ…と固まった俺を見て、サラが笑いながら言う。


「実はわたし、元気になってもらいたくてカツ丼作ろうとしてたんだけど、安室さんに風邪なのにさすがにそれは…って止められて。
お粥の作り方教えてくれるって言うから来てもらったの」


いや、ひとつも意味がわからない
えへへ。と言うサラは天然なのか魔性なのかどっちなんだ…