第31章 Together ☆

朝起きたら、わたしは砂浜に寝転がって赤井さんの膝を枕に寝ていたのに気付いた。

ハッと上を見ると、赤井さんがこっちを見ながら髪を撫でてた。
とても優しい目をしながら。


「おはよう」

「…おはよ……もしかして、ずっと起きてたの？」


そう言うと、赤井さんは何も言わずに微笑みながらわたしの髪を撫でて、おはようのキスをした。

キスをする時、くすぐったくて思わず目を瞑ってしまった。

赤井さんがよく着ているジャケットは、相変わらずわたしの身体にかかっていた。
ずっと、守っててくれたんだ。
そう思った。


「…帰るか。もうタクシー拾えるだろ」

「うん…そうだね」


そう言って赤井さんはわたしを抱き上げて砂浜の上に立たせた。

そして、わたしの方に手を差し出しながら言う。


「手、繋ごう」

「うん…」


赤井さんの大きな手をぎゅっと握ると、あぁ。ちゃんと現実だ。夢じゃ無い。
そんな気持ちが込み上げて来てまた泣きそうになった。