【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第30章 I belong with you ♪
「最初は、あのジェーン、どんなサイボーグみたいな女なんだろうって思ってたよ。
実際昔君を見た時、恐ろしいぐらいに完璧なスパイだった。
そして、街で君を見かけた時、あわよくば公安に引き込んでやろうって思ってた。」
零は海の方を見ながら、まるで独り言みたいに話しだした。
ザザ…と波の音にかき消されないように、クリアな声で零は続ける。
「でも、君は普通の女の子だった。
強いくせに泣き虫で、ちょっとのことですぐ悩んで、1人で抱えて持ちきれなくなって、寂しがりやで、笑顔が可愛くて、寝顔も、声も、全部愛しいって思った。」
ねぇ零。
そんな嬉しいこと言ってくれてるのに、わたしは何故かちっとも嬉しくない。
そんなに泣きそうな顔して言わないでよ。
その後に続く言葉は
「だから、これからもずっと一緒にいてほしい」
でしょ?
だったらもっと、強い目で言ってよ…
そんなに悲しそうに笑わないで。
「サラ…あのとき、爆弾のコードを一緒に切ってくれたあの日。
君のことを好きだって思った。
…今も、大好きだ。」
零が泣きそうな笑顔でそう言うから、わたしから涙が溢れた。
何故かわからないけど、止まらない。
わたしはどうしたいの?
わたしは…
その時だった。