【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第29章 赤い糸 ♪
「……ほら、戻るぞ。立てるか?」
バツが悪そうな顔をしながら、赤井さんはわたしに手を差し出した。
「あ…それが、足捻挫しちゃって歩けないの」
「結構腫れているな…とりあえず屋根のあるところを探して手当てしよう」
そう言って赤井さんは、わたしに背中を向けた。
「乗れ。背負ってやるから」
「…ご、ごめんね。…失礼します…」
そう言って初めて赤井さんの背中に乗った。
きっと前なら、抱き上げて連れてってくれたんだろうな。
勝手にそうしないところが、わたしたちの今の関係を物語ってる。
ねぇ、どうして助けに来てくれたの?
邪魔だって言ってたのに
フラッシュバックする。
now and forever と言ったあの夜が。
迎えに来てくれたのが、零だったら良かったのに。
そしたらこんなこと思わなかったのに。
赤井さんは何も言わずに、わたしをおんぶしたまま山道を歩いた。