【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第22章 終わりの歌 ♪
すると、サラの頭上から水が少しずつ滴り落ちてきて、水槽に溜まっていく。
「これは!」
「ヤバい。このまま時間が来て水が溜まったらアウトだ」
キャメルが声を上げ、ボウヤが切羽詰まったように言う。
確かに、水の量は大したことない。
だがこの状態が長引けば間違いなく溺死だ。
サラも流石に焦ったようで、先程よりも大きく身体を水槽に打ち付けている。
「24時間でちょうど満タンになるんだよ。
この水槽。
君の一番大切な人がじっくり死んでいくところを見るといい。
果たして彼女を助けられるのかな?
映像は切らずにこのままにしておいてあげる。
音声はもちろんなしだけどね?
じゃあまたヒントをメールで送るよ」
そう言って、サラの画面に切り替わった。
俺はガンッとその場にあった机を殴った。
「…落ち着けよ。
ここで苛立ったってサラが助かるわけじゃない」
安室くんにそんなことを言われるとはな。
俺は一度頭を冷やすため、部屋を出た。
「秀!どこいくの」
「次のヒントが出たら教えてくれ。」
そういってベランダに出ると、心を落ち着かせようとタバコを吸った。
サラにもらったzippoで火を付ける時、思うように火がつかず、自分の手が震えていることに気づく。
サラ…頼むから無事でいてくれ。
俺はどうなっても構わない。
命に変えてでも、あいつを守るって決めているんだ。
そう思いながら、俺はまた自分の手をぐっと握った。