【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第10章 first love ☆
ある日の夕方、工藤邸にめずらしく
蘭ちゃん、園子ちゃん、コナンくんが世良という女の子を連れてやってきた。
この子、目元が赤井さんにそっくり…そう思いながら、まじまじと世良さんの顔を見ていると、蘭ちゃんから思いもやらぬ提案が降ってきた。
「わたしたち、これから新しくできたカフェレストランに行くんですけど、サラさんも行きませんか?」
「わたし?」
まさか、女子高生にお誘いされるとは思わず、自分に指差して聞き直すと、園子ちゃんがコナンくんの頭をガシガシと掻き回しながら言った。
「はいー!ガキンチョは昴さんとここでお留守番ー!」
「女の子しか入れない店なんだって」
コナンくんが不満げにそう言う。
「お願い!友達が急遽来れなくなって、サラさんがきてくれたら、人数的にもベストなの!」
「?わたしは、構わないけど…行ってきていいよね?」
女の子と一緒にカフェなんて今までしたことなくて、正直ちょっとウキウキする気持ちを抑えつつ、一応沖矢さんに確認してみると
「ああ。いいんじゃないですか」
まるでわたしの気持ちを読んでみるみたいにそう言いながら、わたしの頭をポンポンと撫でた。
「やりー!行きましょ行きましょ!」
「じゃあ、ちょっと着替えてくるね。」
今日は出かける予定もなく、ルームウェアで過ごしていたわたしは、慌てて自分の部屋に行き、Vネックの黒ニットにカラーパンツを合わせた。
「じゃコナンくん、また帰る時連絡するね」
そう言って手を振る蘭ちゃんを、コナンくんは沖矢さんの隣でジトーっと見送っていた。
女の子と出かけるなんて、実は初めてかもしれない。
ウキウキしながらわたしは蘭ちゃんたちに着いていく。
「そういえば、ちゃんと自己紹介してなかったな。
ボクは世良真純。この2人のクラスメイトなんだ。よろしく!」
「あ、わたしは桜井サラ。
ちょっと事情があって、工藤さんちに住まわせてもらってるの。」
「へぇ。沖矢さんと一緒に?」
その時、世良さんの目がちょっと鋭くなった気がした。
赤井さんによく似た目元の女の子。
もしかして、血縁関係あるのかな…
でも、赤井さんそんなこと一言も言ってなかったし…
そんなことを考えながら、わたしたちはそのレストランカフェへと急いだ。