【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第73章 アイラブユーを探してる
赤井side
そして、退院の前日
「秀。本当にいいのね?」
「あぁ。」
「わかったわ…」
サラの病室の前でジョディに最終確認をされ、俺は強く頷いた。
そして、渋々も承諾したジョディと一緒にサラの病室へと入って行く。
ガラッ…
「こんにちは、サラちゃん」
「ジョディさん。…と、赤井秀一さん」
あの日から毎日のように顔を見せてはリンゴを剥く俺を見て、また来たんですか。と言わんばかりのサラ。
この後、ジョディの話を聞いてサラがどんな顔を見せるか、容易に想像出来る。
その「話」を、ジョディが椅子に腰掛けてサラに伝え始めた。
「退院してからの生活のことで話したいことがあって」
「?わたし、自分の家に帰るんですよね?」
「自分の家?」
「はい。優作さんに借りてもらったマンションです」
「…誰かと一緒に住んでた?」
「?いえ?ひとり暮らしですよ?」
あぁ。
どうしたって、サラの記憶の中に俺はいない。
きっとあの部屋に戻って洗面台の2つの歯ブラシを見ても、サラはどうして二つあったんだっけ?と首を傾げて片方を捨ててしまうんだろう。
記憶が戻る気配のないサラに、ジョディは本題を伝えた。
「結論から言うわね。
明日から、秀と一緒に暮らしてもらうわ」
「え?赤井さんと?どうして??」
まるであの日、沖矢昴の姿をした俺と出会った時
俺が一緒に工藤邸に住めと言ったときと同じ顔だ。
なぜこの人と?!と言う怪訝な顔。
懐かしむ余裕は少し出てきた俺だ。
「実は、サラちゃん例の組織に狙われてるのよ。
今回怪我をしたのも、そのせいなの。
だから、ボディーガードとして一緒に暮らしてもらうわ。
あくまで、FBI捜査官として。ね?」
「わたし、1人で大丈夫…じゃなかったんですよね。
すみません、怪我した時のこと、よく覚えてなくて」
「あなたが1人でも強いのは分かってるけど、複数人で来られるとどうしても…
諜報員を辞めてから時間も経っているし」
「でもそれなら、同性のジョディさんじゃだめなんですか?」
ごもっともなサラの疑問に、ジョディは少し考えた後に続けて言った。