【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第1章 出逢ってしまったふたり
朝、目覚めると
妙にシックな天井が見えた。
そうだ。昨日、色々あって
あのFBI 赤井秀一とひとつ屋根の下で暮らすことになったんだ。
あれだけウキウキに待ち望んでいた新しい人生
早くも雲行きが怪しい。
そもそも一緒に暮らすって言っても
この家は広いし、ある種のシェアハウスと割り切って仕舞えば楽なのかも?
住んでる場所は共有しているけど
生活はバラバラ。
という感じで。
それだ。それがいい。
自分の中で勝手に自己完結して
わたしは昨日赤井さんに借りたパジャマがわりのシャツ姿のまま、ダイニングへと足を運んだ。
そう言えば、食料とか買ってこなきゃ。
朝食の材料すら無いことを思い出したと同時にダイニングの扉を開けると、テーブルの上には、スクランブルエッグにサラダ、クロワッサンという朝食が、2人分並べられていた。
「おはよう」
「あ、赤井さんって、よく食べるんですね」
「…赤井ではなく、沖矢です。人前でボロが出ないよう、徹底してください。それに、どう見ても2人分でしょう」
「え、これ…わたしの?」
目の前に並べられた、綺麗な朝ごはん。
わたしの朝ごはんは、ゼリー 点滴 カロリーメイト
この3つのレパートリーしかない。
これが、普通の生活…
わたしは感動で口元を震わせながら、
椅子に座り、目の前に置かれた焼き立てのクロワッサンに口をつけた。
「美味しい…」
じわじわと幸福感が身体に満たされていく感覚がした。
思わず、わたしの顔が綻んでしまう。
「スクランブルエッグも絶品…!赤井さんって料理上手なんですね!」
「沖矢です。…全く。普通の朝食ですよ。大袈裟な」
「わたし、こんな朝食多分10年ぶりくらいです。」
食べ始めると手が止まらなくなって
わたしはあっという間に朝食を平らげた。