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月夜の欠片

第13章 あかり


が別室に移動する際は、近くに住む槇寿郎と千寿郎。
そして予定日が近いからと離で寝泊まりをしていたの両親しかいなかった。

その後、神久夜たち鎹鴉の伝達能力が存分に発揮され錚々たる顔ぶれが集合し今に至る。
つまり皆がいることをは知らないが、しのぶや蜜璃が手伝いに顔を出したことにより皆がいるのだと感じ取って、声が出来るだけ響かないようにしているわけである。

「こんな時まで我慢する必要など……おぃ、お前ら。屋敷の外に出ろ!あの子に変な気を回させるな!」

(えぇ……今更それ言っちゃう?)

鋭い槇寿郎の視線と言葉に全員の胸中が一致した。

「父上!お言葉ですが皆が出ていくのをが感じ取ってしまえば、気を遣わせてしまったと気に病むと思います!このまま……待っていてもらいましょう。もきっと、その方が喜ぶと思います」

皆、心配する気持ちは同じといえど、誰よりもの身を案じ心配しているのは杏寿郎である。

「にはお狐様の御加護があります。きっともうすぐ……無事に朱莉と共に元気な姿を見せてくれます。もうすぐです」

自分に言い聞かせるような、神に祈るような……
杏寿郎の珍しく静かな声音は、この場の全員の落ち着きを取り戻させるのには十分だった。
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