第13章 あかり
煉獄家の居間。
そこではしのぶと蜜璃を除いた杏寿郎を含む元柱たちや継子たち、そしての父親である涼平や槇寿郎、千寿郎がひしめき合いながら縦横無尽にそれぞれが動き回っている。
広いと言えどこれだけの人数……しかも全員が男なので狭苦しいことこの上ない。
しかし元鬼殺隊の剣士たちの運動能力は一般人と比べ物にならないので、なぜか狭苦しい中も上手く衝突を避けているものだから奇妙な集団と化している。
「のことだから母子ともに無事だと思うが……どれほど時間が経った?もう一刻半はすぎていると思うのだが!」
「落ち着け煉獄!姫さんが産気づいてからまだ一刻だ!そんなポンポン生まれるもんでもねぇだろ!」
「紗那……ちゃんと役に立てているのかな?無理矢理引っ張り出すなんてことしてないと願いたい」
なんとも恐ろしい涼平の言葉に動き回っていた全員がピタリと止まり、悲壮な表情でがいる部屋の方を勢いよく振り向く。
現在、は別室にて懸命に新たな命をこの世に生み出そうとしているところだ。
早朝に重いお腹の存在を感じさせないほどに元気に動き回っていたかと思えば、突然蹲り
「朱莉ちゃんが出たいと言っています!」
なんて言うものだから、杏寿郎は顔面蒼白にしながら産婆や医師の手配をして……要と神久夜によって皆が集まった次第だ。