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月夜の欠片

第9章 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ


顔に張り付かれたにも関わらず怒ることなく、笑顔を浮かべながら杏寿郎に顔を拭ってもらいつつ……嬉しそうに目を細めたお狐様の柔らかな頭を撫でている。

「わぁ!ちゃんいいなぁ!私も触りたい!伊黒さん、一緒に撫でさせてもらいましょっ!」

拭ってもらい毛のなくなった顔を声のした方に動かすといつの間にか蜜璃と小芭内が到着しており、蜜璃が頬を赤らめ伊黒の手を引っ張ってこちらへ近付いてきていた。

「蜜璃ちゃん!お久しぶりです!この子がお狐様ですよ!フワフワで可愛らしい神様なのに、すごくお優しくていつも撫でさせて下さるんです」

「ちゃん、お久しぶり!そうなの?!フフッ、本当だ!すごくフワフワね」

杏寿郎の周りには2人以外にもお狐様見たさに元柱たちが集まり、軽くおしくらまんじゅうのようになっている。

そんな中で実弥は一歩下がっての髪の上をフワフワと漂っているお狐様の毛を目で追っていた。
どうやら物凄く気になっている様子だ。

「ぉい、。ちょっとこっち向け」

「ん?はい、実弥お兄さん!お兄さんも撫でられ……っ?」

振り向いたと同時に頭を軽くハタハタと払われ驚くも目の前を細く柔らかな黄金色の毛が舞い散っていくので、小綺麗にしてくれているのだと理解しては実弥へ笑みを向けた。
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