第7章 ※ 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ
体を離せば温かさは遠のいてしまう……でも杏寿郎の普段見られない妖艶で色香のある顔が見られる。
徐々に速さが増され遠のきつつある意識をかき集めてぼんやり考えた結果、腕の力を弱めて杏寿郎の体を解放した。
それを感じ取った杏寿郎は上体を起こし、見られる恥ずかしさから横に顔を背けてしまったに笑みを向けて頬を撫でる。
「とても……愛らしく唆る表情だな」
「そ……んなっ、ことないです。んんっ」
永遠と与えられる狂いそうなほどの快楽が襲う代わりに痛みが随分と無くなったことに気付いたは、瞑っていた瞼を僅かに開けどうにか瞳を杏寿郎へ動かし顔を見る。
目が合うと思っていたのに杏寿郎は堪えるように瞼をギュッと閉じて少し俯いていた。
初めて見たそんな杏寿郎の表情にやはりの頭は熱に浮かされ、ナカが収縮したのが自分でも感じ取れ……それを身をもって味わわされた杏寿郎は弾かれたように体を震わせ、閉じられていた瞼もそれに合わせて開かれた。
「……そんなに締め付けられては……果ててしまう。気持ち良すぎて、んっ、どうにかなりそうだ」
杏寿郎の困ったような、それでいて余裕のない表情や言葉がなんともの胸を幸せで満たした。