第1章 ※月夜の軌跡 9章
「こ、こ、こんな格好……やだ……恥ずかしいです!足を下ろさせて……ーーっ?!」
突如今までのふわふわとした快楽から、体の中を雷が突き抜けるような感覚に見舞われ、は声も出せず体を大きく跳ねさせた。
「ここ、今までと……ん、違うだろう?フフッ、体が痙攣している」
「あっ……ゃ!はぁ……はぁ……んぅ、な……にを」
潤んだ瞳で見上げられるが、杏寿郎にも余裕はない。
女性の体で1番敏感な部分に触れたと同時に、の自分のモノを掴む手の力が僅かであっても確実に強くなったからだ。
上下の動きは止まっているが、の体が跳ねる度に力に波が生じ、本人は無意識だが刺激を与え続けている。
「君は……本当に末恐ろしいな……気をしっかり保たねば……ふぅ、果ててしまいそうになる」
果てるとは何かと聞きたいが、継続的に与えられる強い快楽での頭の中が白んでいき、言葉に出来るのは思考を働かせることなく出るものだけだった。
「ゃだ……杏寿郎……君、怖い。何かきちゃう……ん、あぁっ!どうか……」
強く抱き締めて離さないで……
言葉に出来なかったが杏寿郎には届いたのか、膨らみに触れていた手を背中に回し、強く……それでいて優しく抱きしめた。