第7章 ※ 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ
(やはり……狭いな。全て持っていかれそうだ)
そう感じるも、目の前で瞼をギュッと瞑り震えるの苦痛に比べると遥かに軽いものなのだろうと分かる。
杏寿郎の場合は痛みを伴わず昂ったモノが締め付けられる圧迫感と、とてつもない快感をもたらすもの。
しかしは痛みを伴っている。
堪えていても自然と流れる涙は目尻から布団へと流れ落ちているのだ。
その痛みを自身の中でおさめ、やはり杏寿郎の体を傷付けてしのごうとしていない。
(肩を噛んでくれた方がどれほど罪悪感を抱かなかっただろうか……いつも君は人のことばかり気に掛けてしまう)
耐えているであろう痛みを少しでも和らげるため、杏寿郎は一文字に結ばれた小さな唇に自分の唇を重ね合わせ、それを開いてくれと促すように舌を這わせた。
「ん……はぁ……杏寿郎君……んぁっ、んん」
これ以上に苦痛を伴わせたくないのに、体は言うことを聞いてくれず欲は膨れ上がるばかりである。
それでも舌を絡めるとの体から力が抜け、強ばり奥へ進まなかったモノがゆっくりと動き出し、は圧迫感をどうにかしようと下に敷かれている布団を握り締めた。