第7章 ※ 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ
脱衣場までは良かったものの、どうにかこうにか辿り着いたと同時にの気が緩みへたりこんでしまった。
そんなの頭を撫で、やはり寝室まで杏寿郎が運んでやった。
「すみません……上手く力が入らなくて」
「謝ることはない。元々運んでやるつもりだったからな。それより疲れてはいないか?」
治癒能力や自己修復能力がなくなったと言えど日々鍛錬を欠かしていないは、そんじゃそこらの男性よりも体力がある。
ただ未だに慣れない事に力が抜けてしまっている状態なだけだ。
布団に横たえさせてもらいそれも随分と回復し、モゾモゾと杏寿郎の胸元へと顔を埋めに行く。
「ありがとうございます。疲れていませんよ、杏寿郎君こそ私を運んで下さったのでお疲れではございませんか?」
「柱を引退したとは言え互いに人並み以上の体力だな。俺も疲れていない」
つい一刻弱前の花火大会帰りに大立ち回りを繰り広げた人間の会話とは思えない会話を繰り広げて笑い合うと、どちらともなく唇を僅かな時間だけ重ね合わせた。
「途中で辛くなれば言ってくれ」
「きっと大丈夫です。あの……もう太腿に違和感がありますので」