第2章 番外編 初めてのお泊まり
「ふ、ぅっ…」
息が続かず少し離してくれた隙に吸い込めば、漏れる甘ったるい吐息。絡めていた指を解き腰に移動したローの掌が自身へと引き寄せるものだから、引かれるままに移動すれば座った先はローの膝。股がったことでローより高くなった頭を引き寄せられ、今度は最初から深く唇を合わせた。
くちゃ、と唾液の絡む水音に心拍数が上がる。腰から背中を這うローの掌が熱い。
後頭部を抑えられて離れられず、呼吸も儘ならない程口内を我が物顔で往来する舌。
歯列をなぞり舌の根から吸い上げられればやらしい声がでそうな程体が快感で震える。こればかりは口が塞がれていて良かった。
◆
キスに酔い、蕩けた顔にドクドクと全身が脈打つ。
やっとだ。やっと全部手に入る。
18の時から抱き続けた思いが実り、欲してやまなかった存在が腕のなかにいて、食べてくださいと言わんばかりに無防備に体を預けている。がっついていると思われたくなくて、あくまで平常を装おうとするが、上がった息はどうにもならなかった。
ふにゃけているうちにさっと横抱きにして自室へと向かう。少々乱暴だが後ろ足で扉を閉め、自室のベッドへとおろした。
散らばる柔らかな髪の毛に、欲で上気した四肢。再度キスを送りながらトップスの裾から手を潜り込ませればすぐに温かな素肌に触れる。するすると手は上がっていき、二つの丘の中央で止めて下着のラインをなぞるように滑らせた。
「なぁ、電気点けてもいいか?」
「えっ…」
「全部見てぇ」
「いや、あの流石に……」
じっと彼女の瞳を見つめる。この行為にが弱いのは何回か会うなかでわかったこと。今もOKを出してくれないかと視線を送ってみた。
「ぅ…いい……いや、やっぱり恥ずかしいからダメだよ!」
「…」
あと一歩で羞恥が勝ってしまったか。
まぁ明るいところでの全身を見るのは今後の楽しみにとっておくことにして、這わせていた手で下着の上から胸を揉む。やわやわと強弱をつけながら弄り、服の上から胸元に顔を埋めて深く呼吸した。
「やっ、吸わないで…」
「いい匂いする」
「っ!?」
体から遠ざけるように顔の前に掌が滑り込んでくる。真っ赤な顔をして再度吸わないでと言うに、その顔は欲を煽るだけだと教えてやった。