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木洩れ日の休息・短編集【刀剣乱舞/R18】

第4章 春の悪戯(へしさに)


―――とある日の昼下がり、へし切長谷部と審神者のあるやり取りする声が聞こえる。

「主……俺の話聞いてましたか?目を開けて下さいって言ってるんですが」

『聞いていますよ、でも怖いんですよ…』

「はぁー…"花粉症"とやらでお目が痒いんですよね?」

『はい…』

「で、目薬を俺に点して欲しいとのお話ですよね?」

長谷部の話に素直に頷く審神者。

「だったらどうして目を開けてくれないのですか?あるじぃいぃい!」

『だってだって勝手に瞼閉じちゃうんだもん…私の意思じゃないんですぅ!!』

「だから俺が主の瞼を触ると力が入って上手く点せないですし…どうしたらいいんですか?」

『………もう目薬なんて要らない…我慢しますよ…――』

「主…泣かれるほどお嫌ですか?」

『へっ? 嘘…なんで――っ』

子供をあやすように優しく抱きしめて背中をポンポンされる。

(長谷部を困らせたくない…止まってよ、涙――)

「……――方法が無くないですが、よろしいですか?」

『長谷部が出来る範囲の事をやって欲しいです。』

「主命とあらば……じゃあ主、座って頂けますか?」

長谷部に言われた通りその場に座り込む審神者。

「いいですよ、では目を閉じてて下さい。
身体の力抜いて下さいね?」

優しく声を掛ける長谷部に身を委ねて行く審神者。
身体を倒されて、頭には何かの感触が。

(なんだろう…この頭の感触?)

次に唇にふにっとした感触が
審神者が驚いて目を開けると長谷部の顔がはっきりと…

(…――えっ?キスされてる)

吃驚してる隙に長谷部持っていた目薬を審神者の目へと手早く点していく。

「……主、終わりましたよ。
痛くないですか?」

『痛くないよ……』

「それは良かったです。
では俺はこれで失礼します…
何かあったら呼んで下さいね」

……一人フリーズしたままの審神者に、"長谷部から膝枕をしてもらいキスされた"と言う実感があとから押し寄せてきて…赤面し、その場でへたりこむのだった。

(やり過ぎただろか…主の反応が気にはなるが…
―――どんな貴方でもお綺麗ですよ…
これからもお側に居させて下さいね)

…完…
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