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おうちに帰ろう(鬼滅の刃 煉獄杏寿郎)

第8章 お正月休み


「んあっ…。」

自分の寝言みたいな声で目が覚めた。
煉獄さんの部屋で目覚めた朝。
煉獄さんは雨戸を閉めない主義らしく、朝の光が柔らかく部屋に差し込んでいる。

隣に寝ていた煉獄さんはおらず、私には綺麗に掛け布団がかけられていた。起きあがって部屋を見回した。
煉獄さんは早朝鍛錬に行ったんだ…。
きらきらした光が骨の模型を照らしていた。

お布団を干すために、重い布団を背負って階段を降りた。
普通に持てば良いのに、寝ぼけていたのか背負ってしまって階段の上からバランスを崩して布団を落とし、その上に乗った状態で階段を
転げ落ちていった。

「うわあああっっっ!!!!!」

おたけびをあげて、目を瞑った。もうダメだっ!

「要!!どうしたっ!!」

煉獄さんが飛んできた。文字通り飛んで来た。さすが柱、というスピードだった。
煉獄さんは布団から弾んで飛び出した私を受け止めながら、かなりびっくりしていた。

「何故布団と一緒に飛んで来るんだ⁉︎」

驚きながらも、笑いをこらえられない様子で笑い出した。

「煉獄さ〜ん!!死ぬかと思った〜!!」

「気をつけてくれ。死なれると泣くぞ。」

私は煉獄さんの首にしがみついて半泣きだった。
煉獄さんが来てくれなかったら、首が折れていたかも…。

「布団なら俺が干す。」

そう言って煉獄さんは私を強く抱き上げたまま、随分長いこと笑っていた。
普通、恋人になったらロマンチックな朝が定番なのに、私はなんでいつもこうなんだろう。


「今日は朝の鍛錬は終わったんですか?」
外にいるかと思った煉獄さんが家の中にいてくれた幸運に感謝しながら聞いてみた。

「ああ!終わって日輪刀を磨いていた!」
私を降ろしながら煉獄さんは明るく言った。



煉獄さんは刀を磨いている時に飛んで来てくれたらしく、
日輪刀が縁側に置いてあった。

煉獄さんは刀を拾い上げた。
炎を型取った鍔と、赤く輝く刀身。
悪鬼滅殺と掘られた文字が凄味がある。
煉獄さんの大切な刀。近くで見ると迫力が違う。まるで刀が意思を持っているかのようだ。
日輪刀も煉獄さんに愛用される事を誇りに思っているみたい。

光に輝いている。

「要、持ってみるか?」
と、私に持つように煉獄さんは柄を差し出した。

「いえ!いいです!!」
簡単に触っていい物には見えなかった。




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