第34章 surround ■ 【番外編】
そして昼食時……
食欲がないから今日はいらないなどと言っているレイを、やはり異変を感じ取っていた硝子が無理に食べさせようとする。
「ねぇ、体調おかしいのなら尚更少しでも食べな?
風邪の予兆かもしれないし。」
「う…うん……」
目の前にあるパンを、1口ちぎって齧る。
しかし、咀嚼して飲み込もうとするがうまくいかない。
「…ん…っ…う…」
「どーしたの?だいじょ」
ガタッ!バタバタ
「えっ!ちょっとレイっ!」
追いかける硝子。
その様子を驚いたような顔で見つめる五条と夏油。
夏油も立ち上がり、追おうとした瞬間、五条がその腕を掴んだ。
「っ…なんだ。」
「いいから一旦座れよ。」
このとき、五条はもう確信していた。
さいっあくだ……
どうする…これ…
「なぁ…傑さぁ……」
「は?」
「本当に心当たりないのか?」
「ないよ、というか…なぜ私なんだ。」
こいつ馬鹿?
お前しかいねーだろ!!
すると夏油はハッと思いついたように声を出した。
「いつもデリカシーのない君が、なにか彼女を傷つけたんじゃないか?」
五条は目を見張った。
「っはぁ?!おま…本気で言ってんの?」
「私にはそれしか思い当たる節がないな。
普段のことを回想してみても、それが一番濃厚な線だと思うね。」
「………ざけんなよ……傑……」
五条のこめかみに青筋が立った時、硝子が戻ってきた。