第21章 residual ■
その日の夜、レイは久しぶりに夏油と肌を重ねていた。
日頃の忙しさで、今回もまた間隔があいてしまった。
今日の彼はいつも以上に荒々しい。
普段の疲れを、体で発散しようとしているのかもと思った。
「…傑…大丈夫?疲れてない?」
「ふっ…疲れてないよ。レイをいくら抱いても疲れるわけないよ」
そういう意味では無いのだが…
と思ったが、また乱暴に唇を塞がれた。
「んん……っ…」
ギュッと両頬を抑えられるようにして荒々しく口内が犯されていく。
酸素を求めて顔を背けようとしても、何度も引き戻された。
「っは!…ぁ…傑っ…苦しい、よ…っ」
「ふふっ…ごめんごめん、久しぶりだから…君が足りてなくてね…」
どこか疲れたような表情で笑いながら、また下に指を挿入してきた。
「ああっ!…だめ、待って…あっ…んん」
イッたばかりで鋭敏になったそこはもう頭がおかしくなりそうなくらいの快感を与えてきた。
久しぶりということもあるのだろうか。
自分の性欲も、やはり溜まりに溜まっていたのだろうということが正直な体が教えているようだった。
「ほら、もう1回、イクところを見せて?」
夏油の硬く熱いそれがすぐにまた入ってきて、何度も奥に打ち付けられる。
艶かしい互いの押し殺したような息遣い。
部屋の外が気になるので、あまり大きな声は出せない。
「んんっ…あぁっ…傑…」
「っ……ふ… レイっ…可愛い…」
繋がったまま、何度もキスをし、深く抱き合う。
往来の速度が増し、卑猥な音が鳴り響く。
夏油ももう余裕がなかった。
中のヒダが凄まじい刺激を与え、強く締め付けられ、長めにピストンすれば速攻達してしまうだろうと思ったからあえて奥を小刻みに突き上げる。
「く…善すぎる…よ… レイ」
余裕のない彼の表情と息遣いで、レイの締めつけはまた強くなる。
ああ…その顔をずっと見ていたい…
切なげな顔で見つめあっている2人は今同じことを考えていた。
この世界の現状がいくら目まぐるしく変わろうとも、この時間だけは…2人だけの世界。
幸せと快楽の絶頂。
これ以上のものは世界中どこを探しても絶対に見つからないだろう。