第47章 determination ■
嘔吐しまくったあとの自分のキスに、一瞬も嫌がることなく応えてくれている…
しかも僕…めちゃくちゃ深いキスして…る…
「…ど、しよ… レイっ、ごめ… 」
なんとも言えない申し訳なさと羞恥が襲うが、もちろん嬉しさの方が強くて五条は困惑する。
«私別に汚いと思ってないもん。»
動画から聞こえたその声。
他人の吐瀉物を全く汚いと思っていないその光景は、昔のある場面を思い起こさせた。
傑の時もそうだったし、任務先でもそうだった。
こうして何も戸惑うことなく素手で拭って…
僕に関してはこうして…き、キスまで…
「おいっ!てめぇまさか喜んでるわけじゃねぇだろうな!」
「まっまさかまさか!そんなわけっ!
お姫様にこんなに無礼なことをっ…
ここんなに迷惑かけてっ…しまって…反省して…ます…」
焦ったようにそう言いながらきちんと冷静になる。
もうこの信じられない光景の動画を観ていられないくらいに、恥ずかしさと己の愚かさで泣きたい気分になってしまった。