Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系
第14章 母の涙……1
潤side
純梨(じゅんり)の方の部屋
『良いですね。純梨の方様』
母上様に、話を聞くべく部屋を尋ねると。
(大叔父上……)
母上様の叔父が、母上様にいつものように、一方的に何かを説いている所だった。
-ガラっ-
「おや、潤若! それでは失礼する」
微笑を浮かべているものの、目元は笑っていない……
大叔父上がいたら、話にくいし、良かった。と思いながら。
「母上様、お加減はいかがですか?」
敷居に腰を降ろしながら尋ねると。
「潤若様! 貴来て下さったのですね!」
布団に横になっておられた母上様。身体を起こそうとされるので手で制して。
「母上様。お加減が優れないのに申し訳ありません」
「ふふ、潤若様のお顔を見たら良くなりましたよ」
大叔父上のあざとい微笑みとは違う儚き笑み……
(母上様を苦しめて……許せぬ)