第3章 闇地
私達は何も話す事はなく、火影室へ到着すると私は綱手様と挨拶を交わし、同席している相談役2人には気に留めずカカシと共に今回の任務報告を終わらせた。
「……薬を渡したのは誰だ?薬の効きにくい体質のお前に即効性の効果を出せるとなると相当な手だれだろ?だが、医療班登録のメンバーには……そこまでの技術を持っている奴はいない……」
「……里でそんな物を作れるのは綱手様かシズネさんのお二人でしょう……後は大蛇丸に付いているカブトという男……」
「となると、闇ルートでの入手か……」
「ま、どちらにせよ例の兵糧丸を渡して来た張本人に聞くしか無いでしょうね?誰から入手したか……」
「よし、イビキに____」
「いえ、泳がせましょう……証拠もないですし……それに『どんな効果』があったのかは分かってないと思いますよ?単独任務だと思ってたんでしょう……本来、上忍と暗部がツーマンセルで動くとは考えられませんからね?」
「……『任務失敗』を望んだと…?」
「……もしくは、私が死に里から消え去ることを……でしょうね?」
薬を渡してきた本人はカカシの大切な人なんだから言える訳ないでしょ……カカシがさっさと身を固めてくれたら……私の存在なんて問題なくなるのに……あー煩い!!ここぞとばかりに相談役はまだ上忍に推してくるし……。
でも良かった……綱手様は私の暗部残留に同意してくれた……狸どもの思う様にはさせない……私はこのまま暗部として生きるしか……私には闇の中が似合うから……。
「ッ!綱手!!分かってるのか!?ワシら相談役の話も聞き入れろ!!」
「五代目火影は私だッ!!私の決定には従って貰う!!いいな、ダンゾウ!!」
「……気付いておったか、久しいな、綱手姫」
「立ち聞きとは趣味が良いな?以上が決定事項は以上だ!ミズキ、早速、頼むぞ!それからカカシ、お前は今からこれだ!」
「ハァー、早速ですか……」
「それから、ミズキ、待機室に行く前にいのいちの所に寄ってくれ!お前の結界で確認したい事があるらしい」
「……?分かりました……」
オレ達は火影室を後にし、再び沈黙に包まれると、互いに話し掛けるタイミングを無くした……ミズキのやつ何でハルナの事を話さなかった?ま、オレの彼女とか勘違いからだろうけど……戻って来たらちゃんと話さなきゃな!