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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第36章 7月


15分後





[いや、倉庫のシステムに登録するんだと思いますよ]





………………。





終わった。



7月1日までに間に合わず

とりあえず放置してた内容の一つ。



倉庫のシステムのことは、現時点で1ミリもわからない。





ちなみにこれについては研修はなく、


「マニュアルです」


と、100ページ分ほどのPDFを渡され


「それを読んで自分で理解してやって下さい」


とだけ言われていた。




そして、18時過ぎた時計を見て



システム会社の問い合わせ受付時間終了を確認し。





「あ、さおり?お疲れ様。

ごめん。黒尾さんの内線番号わかる?」



『あ、わかるけど。え、てか大丈夫?』





今までどんなに辛いことがあっても


どんな言葉を掛けられても、



会社では泣かないと決めていた。




だけど、とっくに限界は超えていたようで、


プツンと糸が切れてしまったかのように



涙が溢れて、止まらなかった。





さおりから聞いた内線番号に掛けると、


少し時間が経ってから、息を切らした黒尾さんが出てくれた。





「………仕事中にすみません」



『や、大丈夫だけど。

今から会議室、来れる?』



「………はい」





ハンカチだけ手に取り、とにかく顔をあげないようにして。




今の時間

定時で帰る人がいるエレベーターになんて乗れないから


階段を使って会議室へ。




黒尾さんに指定された会議室のドアを開けようとしたけど

鍵がかかってて開かなかった。





たぶんこの時間帯にこの辺にいる人はほぼいない。




立っているのもしんどくて、



しゃがみ込んで




声だけはころして、泣いた。
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