第5章 play 4 ※
タケルが出て行った後も
着替えを持ったカヲルが部屋に入ってきてからも
チサトはベッドの上に力なく横たわっていた
リモコンを手にしたカヲルが流れ続けていたDVDを止めると
途端に静寂に包まれた
『……ど……う…して………こん…な……目に…』
呟くようにそういうと
チサトは嗚咽を漏らして泣いた
帰りの車の中でもチサトはずっと泣いていた
「……」
これまでのようにマンション前には停めず
スロープを通って地下駐車場に降りると
カヲルは車をゲスト用の駐車スペースに停め
車の鍵を抜いて後部座席のドアを開けた
「……部屋までお送りします…」