第3章 play 2 ※
タケルのマンション
シャワーを浴び、バスローブを身に付けたチサトが寝室のドアを開けると
タケルは昨夜と同じように大きなベッドの端に腰掛けていた
チサトは真っ直ぐに彼の方へ近づいていく
タケルは微笑みながら立ち上がると
目の前で立ち止まったチサトの頬に手を添え
唇を近づけた
『待ってください』
毅然としたチサトの声に
タケルは動きを止めた
「…何?」
『……タケルさん………貴方は……私にとても大きなチャンスをくれました……私にはもったいないような…特別なチャンスを……そのおかげで…私の夢は叶ったんです………怖いくらい順調に……』
「……だから…何なの…」
『……貴方には…とても感謝しています………夢を叶えてくれたお礼として……私は…この身体を貴方に捧げます………私の初めてを奪った貴方に…』
「…………へぇ………捧げる…ってことは……僕の好きなようにしていいの?」
『……ハイ…』
「…あっそ……じゃ…遠慮なくそうさせてもらうよ…」
タケルはそう言って顔を傾げると
再び唇を近づけようとした
『ただし…ひとつだけ条件があります』
「…条件?」
『……私が捧げるのは身体だけであって…心は私のものです……貴方が私の身体をどう扱おうと…あくまで契約の上での行為であり…そこにはひと欠片も私の気持ちはありません………ですから……私の唇には絶対にキスをしないでください…』