第13章 call
翌日のスタジオ
クランクアップを明日に控え
大詰めの撮影は深夜にまで及んだ
am 2:00
マネージャーに送られ
マンションに帰り着いたチサトは
スマホを手に取った
スクロールで"三神カヲル"の名前を選び
通話ボタンを押す
4度目のコール音が途切れ
少し間を置いて
静かな声が聞こえた
「…………はい……」
『……』
「…………………もしもし……」
カヲルの耳元で
微かに
深く息を吸い込むような音が聞こえた
直後
チサトは
静かな声で言った
『…………カヲルさん……………私も……連れて行ってください…』