第19章 大波乱⭐︎一年生親睦会③
(……動けない)
目が覚めて、自分の身体を動かそうとしたけど。
全身が筋肉痛みたいな、そんな感覚に襲われた。
(い――痛いっ)
せめてベッドに座ろうと思ったけど、それすら出来ないくらい身体が重い。
身体が痛いのなんて、いつものことだから平気なはずなのに。
(どうしよう、私これから寝たきり?)
自分の身体を普通に心配してたら、隣から笑い声が聞こえた。
視線だけ向けたら、隣に寝転んでる五条先生が、頬杖をついてこっちを見てた。
「おはよ、皆実」
「……おはよう、ございます」
挨拶されたので、ちゃんと返す。
身体がボロボロになってる私とは真逆に、五条先生の姿は今日もイケメンよろしく輝いていた。
明け方まで、一緒に起きていたはずなのに。
起きてたって言っても、私の方はほとんど死にかけてたけど。
なんなら五条先生のほうが疲れておかしくないようなことしてたんだけど。
五条先生の顔には隈一つない。
(……この差は何)
五条先生の顔を見て、真剣にそんな疑問を浮かべてたら、やっぱり五条先生が愉快そうに笑った。
「なんで顔青くしてんの。普通、ラブラブな夜を思い出して顔赤くするとこでしょ」
「身体が全然動かなくて驚愕してるんです」
私が真顔で答えたら、またケラケラと五条先生が笑った。