第8章 ジム巡り②
その動きのお陰か、しっぺ返しを食らったギャラドスは一直線にズルズキンに向かって体当たりしてきた。
(混乱かそれとも逆鱗をしているのか?!どちらにしてもこのまま暴れ続けられてはズルズキンが…)
ネズは舌打ちしたい気分になった。
マイクがあるためそれは避けたが、ギャラドスを止めるだけの技をズルズキンは持っていない。砂掛けをしようにも、ギャラドスが暴れ回っているせいで確実に砂をギャラドスにかけられないのが現状だ。
ギャラドスのメチャクチャな攻撃に、混乱はしていることはわかるが、逆鱗をもう一度しようとしているようにも見えた。
そしてさっきよりも変則的に向かってくるギャラドスの攻撃に、ずっと避け続けたズルズキンにも疲労しているのが顔を見てわかった。尻尾を振りかぶったギャラドスの尾をズルズキンは飛び上がって避けると、ギャラドスは飛んで身動きの取れないズルズキンに突進した。
ズルズキンごと壁に頭をぶつけたギャラドスは、ゆっくりと頭をあげた。壁にぶつけられたズルズキンは、ギャラドスがいなくなると、力なくフィールドへ落ち、目をぐるぐる回して倒れた。
「あぁーっズルズキン!立ち上がらない!嘘だと言ってくれーーー!!!でもこれはちゃんとした公式試合!ズルズキン、戦闘不能!!!」
贔屓を感じるレフリーの放送だが、判断はしっかりとされており、ネズはズルズキンをボールに戻した。もまだ混乱しているギャラドスをボールに戻すと、次のボールに手をかけた。
「ラグラージ、頑張って!」
次に出したのは、水と地面の複合タイプを持つラグラージにした。
そしてネズも次のポケモンを繰り出した。
「特性あまのじゃく!カラマネロ、ひねくれちゃいましょ!」
ネズはマイクから手を離さず、背中を大きくそらしてシャウトした。
一度地面に降り立つ前に、ふわりと浮いて地面に足をついたカラマネロは、人相が悪く、まさにイカを真逆にしたような体で、ニヤリとラグラージを見下していた。
(カラマネロ…悪とエスパーの複合、特性のあまのじゃくは下げる効果にあたれば逆に上がる厄介なポケモン…マッドショットなんか当てたら命中率が逆に上がりすぎちゃう)
2体目も中々手強そうだが、はラグラージを見た。ラグラージもの視線を感じて振り返ると、コクっと頷いてみせた。