第8章 ジム巡り②
元の大きさに戻ったラプラスは、フィールドの上でぐったりと延びていた。すかさずレフリーのダンペイが様子を伺いに、ラプラスの元へ駆け寄った。
「ラプラス戦闘不能!よってこの勝負、チャレンジャーの勝ち!」
ワッと観客たちの歓声が上がり、ははぁ…と、安心したように息をを吐いた。メタグロスは戦いが終わったとわかると、の元へのっしのっしと歩み出した。も駆け足でメタグロスに駆け寄ると、メタグロスの顔に大きく手を広げて抱きついた。
「ありがとう、メタグロス!すっごくかっこよかったよ!」
「メタ」
「後でちゃんとワックスかけてあげるからね!」
「メッタ!」
メタグロスは嬉しそうな声を上げた。
もつられてメタグロスに微笑むと、ラプラスをボールに戻したメロンがこちらにやってきた。
「あんた…やるじゃないか!」
「メロンさん!」
「もちろんあたしのポケモンたちが負けたのは悔しいさ。でもね、若い才能ってやつに出会えた喜びは半端ないよ。ほら、ピカピカの氷バッチ持っていきな!」
差し出された手に、も自分の手を出し、握手をした。メロンから氷バッチを受け取ると、は背後にいるメタグロスに振り向いた。
「やるよ…?せーの、氷バッチ、ゲットだぜ!」
「メッタァア!!」
恒例のバッチを掲げてのジャンプはだけで、メタグロスは片腕をあげるだけにした。しかしメタグロスはニッコリと主人を見ており、メロンは微笑ましくその光景を見ていた。
(こんなに笑えるのに、バトルをしている時はまるで別人。並大抵のバトルじゃ到底氷塊をぶつけてくるなんて、ぶっ飛んでるわ……ダンデがバトルしたがってるってキバナが言ってたのも、本当かも…でもそんなことより…)
ガシッとメロンはの肩を掴んだ。
「め、メロン、さん?」
「この後予定はある?いい温泉があるの」
「お、温泉…!」
「もちろん、一緒に来るわよね?」
パチン、とメロンはにウィンクすると、の心臓はギュンとなった。
「行きます…メロンさんとなら、どこまでも///」
「ウフフ、じゃ、また後でね」
は高鳴る心臓を押さえてメロンを見送った。
(大人の色気ってしゅごい…///)