〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第3章 飽くなき探求
兵士に問われたエルヴィンは父達の仮説を兵士に説明した。
説明が終わると兵士は二人に違う質問をした。
「この話は誰から聞いたんだい?」
兵士にそう問われるとエルヴィンとジルは答える。
「僕の父さんと…」
「私のお父さん」
兵士はそれを聞くと二人の頭を撫で、再び質問をする。
「君たちのお名前は?お父さん達は何してる人なのかな?」
ジルはこの二人の兵士を恐ろしく感じてしまい、エルヴィンの後ろに隠れてしまう。
そんなジルを見て、エルヴィンは代わりに兵士の質問に答える。
「僕はエルヴィン・スミス。
父さんは教員をしてます。
この子はジル・ラディウス。
この子のお父さんはこの先にある書店を営んでます」
エルヴィンの答えを聞くと、兵士二人はその場から去っていった。
「ジル、もう二人はどっかに行っちゃったよ」
「エルヴィン…やっぱり、もうこの話を外でしちゃダメなんだよ。
いまの兵士さん怖かった…」
「大丈夫だよ!外の世界に何があるのかっていう想像を話すだけじゃないか」
「うん…」
尚も不安そうにするジルにエルヴィンは彼女の手を取りこう伝える。
「何かあってもジルは僕がずっと守ってあげる!
ジルは僕の妹同然なんだから!」
「うん、エルヴィンとずっと一緒にいる」
エルヴィンはジルを抱き寄せ背中を撫で、ジルの不安が消えるようにと額に口付けを施す。
「遅くなる前にそろそろ帰ろうか」
そうエルヴィンは言い、帰宅の道中にあるジルの自宅へと歩き出した。
程なくしてジルの家の前に着き、彼女が家に入るのを見送ったあと自分も帰宅する為、再び歩き出したのだった。